全席指定の「はやぶさ・こまち」。
自由席はなく、原則として指定席が必要です。
しかし――
仙台~盛岡間に限っては、条件を満たせば指定を取らずに利用できる場合があります。
そのカギは「途中停車」。
この記事では、その見分け方と注意点を分かりやすく解説します。
はやぶさ・こまちは原則「全席指定」

東北新幹線を走る「はやぶさ」「こまち」
国内最速の時速320km/hで走行し、首都圏~東北をより速く移動できる新幹線です。
これらの列車は首都圏~青森・秋田といった長距離を移動できるように「全席指定」で運転されており、自由席はありません。したがって、乗車するにはあらかじめ座席の指定を受ける必要があります。
しかし、以下の区間では座席の指定を受けずに利用できる特例があります。
- 仙台~盛岡
- 盛岡~新函館北斗/秋田
今回はそのうちの1つ「仙台~盛岡」の区間の特例を紹介します。
仙台~盛岡が「ノンストップでないなら」自由席で利用できる

途中駅に停車すれば、どの「はやぶさ・こまち」でも自由席特急券で利用できる
Q:「はやぶさ・こまち」号 仙台~盛岡間は自由席特急券で乗れますか。
A:仙台~盛岡間の途中駅に停車駅が設定されている「はやぶさ・はやて・こまち」号は、同区間を相互に利用する場合に限り、自由席特急券で普通車をご利用になれます。
えきねっと よくあるご質問
https://secure.okbiz.jp/eki-net/faq/show/4085?category_id=260&site_domain=default
仙台~盛岡では、この区間の途中駅に停車駅がある「はやぶさ」「こまち」を同区間で相互に利用する場合に限り、自由席特急券で利用できる、というものです。
分かりやすく言い換えると…
古川~新花巻のうちどこか1駅でも止まる「はやぶさ」「こまち」なら、
仙台~盛岡間を自由席特急券で利用できる
という特例になります。
仙台~盛岡の間には
- 古川
- くりこま高原
- 一ノ関
- 水沢江刺
- 北上
- 新花巻
の6駅があり、このうちの「どこか1駅でも」停車する列車なら特例が利用できます。
仙台~盛岡が「ノンストップ」の列車(上の6駅どこにも停車しない)には、
この特例が適用されません。
ノンストップの列車に乗車する場合は、原則通り指定席特急券が必要です。
利用できる列車・できない列車の例
利用できる列車
はやぶさ102号(盛岡発・東京行き)

盛岡~仙台の停車駅:新花巻、北上、水沢江刺、一ノ関、くりこま高原、古川
盛岡~仙台が各駅停車となる、一番多い種類の「はやぶさ」です。
6駅すべてに停車しているので、もちろん問題なく利用できます。
はやぶさ8号(新青森発・東京行き)

盛岡~仙台の停車駅:北上、一ノ関、古川
各駅停車ではありませんが、3駅に停車しているので利用できます。
はやぶさ17号(東京発・新函館北斗行き)

仙台~盛岡の停車駅:一ノ関
一ノ関しか止まらない列車ですが、それでも停車駅があるので利用できます。
仙台~盛岡が44分と、ノンストップの列車とあまり所要時間は変わりません。
こまち55号(上野発・秋田行き)

仙台~盛岡の停車駅:一ノ関
「はやぶさ」だけでなく「こまち」でも、停車駅があれば利用できます。
利用できない列車
はやぶさ21号(東京発・新函館北斗行き)

仙台~盛岡の停車駅:なし(ノンストップ)
仙台~盛岡間に途中1つも停車駅がないので、この特例は適用されません。
このようなタイプに乗車するには、別途指定席特急券を用意する必要があります。
はやぶさ67号(東京発・盛岡行き)

仙台~盛岡の停車駅:なし(ノンストップ)
この列車も、仙台~盛岡間に途中停車駅がないので、特例は適用されません。
よくある誤解~「盛岡行き」の罠~
特に仙台駅からこの特例を利用する場合に多いのが

【盛岡行き】なら自由席で利用できるよね?
という考え方です。
確かに、仙台~盛岡で途中駅に停車する「はやぶさ」はほとんど【盛岡行き】なので、この考え方も正しいように見えます。
しかし上の「はやぶさ17号」のように【新函館北斗行き】でありながら一ノ関に停車したり、逆に「はやぶさ67号」のように【盛岡行き】でありながらノンストップと、様々なパターンがあります。
このことから、利用できる列車は「行き先」ではなく仙台~盛岡間の「停車駅」で見分けましょう。
なぜ指定を取らずに利用できるのか?
「はやぶさ・こまち」の仙台~盛岡に、なぜこのような特例ができたのでしょうか?
東北新幹線の仙台~盛岡は、基本的にノンストップの「はやぶさ・こまち」と各駅停車の「やまびこ」が毎時1本ずつ運行されています。よって、
- 盛岡よりも遠くに早く行きたい人 …はやぶさ・こまち
- 古川~新花巻の各駅に行きたい人 …やまびこ
という棲み分けがなされているのです。
しかし利用者が多い朝夜は、仙台~盛岡が各駅停車の「はやぶさ」が設定され「やまびこ」が運転されない時間もあります。
ここで起こるのは「自由席がなくなる!」という問題です。
自由席のある「やまびこ」に対し「はやぶさ」は例え各駅停車でも全車指定席です。
このルールを厳密に適用すると、
- 定期券では利用できず「やまびこ」が来るまで延々と待ち続ける
- 例え1駅だけ利用したくても、割高な指定席料金がかかる
という不便が生じます。
そこで、
仙台~盛岡の途中駅(古川~新花巻)に1駅でも停車する「はやぶさ・こまち」は
自由席特急券でも空席が利用可能
という特例が設定されました。
このことによって、自由席のある「やまびこ」が運転されない時間でも、不便なく新幹線を利用できるようになったのです。
キュンパスの強い味方の存在!

この特例は、現在利用期間中の「キュン♡パス」でも利用できます。
仙台~盛岡間「やまびこ」の自由席代わりに活用できるのはもちろん、こんな使い方もできます。

キュンパスで人気の行き先は、青森や秋田などの北東北。
しかし、期間中の毎朝の「はやぶさ・こまち」は満席が多く「指定席が取れない…」と嘆く人も多いくらいです。
盛岡以北では「キュンパス」単体で利用できるような特例がありますが、新青森や秋田に行く「はやぶさ・こまち」は仙台~盛岡もノンストップで走る列車が多く、特例が適用されません。そのため、
盛岡までは自由席のある列車で移動する必要がある→時間がかかる!
というジレンマが生じます。
しかし臨時列車の中には、新青森や秋田まで行く「はやぶさ・こまち」でも仙台~盛岡の途中駅に停車するものがあります。この場合は盛岡以北、仙台~盛岡の特例どちらも使えるようになるので、
仙台~新青森・秋田まで、乗り換えなしで「キュンパスのみ」で移動できちゃう!
ようになる、とてもお得な列車があります。
次の記事では、その列車を詳しく紹介していきます。
まとめ
- はやぶさ・こまちは原則「全席指定」(自由席はない)
- 仙台~盛岡間で途中駅に1駅でも停車すれば、自由席特急券で利用可能
- ノンストップ列車や区間外にまたがる利用は不可
全席指定でも、この特例を知っていれば一気に効率よい旅になります。
仙台~盛岡は、キュンパス利用者にとっての“戦略区間”。
その一知識が、青森・秋田への旅を少しだけ自由にしてくれるはずです。

