皆さんこんにちは。「Kasaの旅路」へようこそ。
遅ればせながら2023年の3月、私は心の旅路を求めて、フェリーを使って北海道・函館への旅に出ました。この旅行記の初めに、本州から北海道へ夜を越えて進む「フェリー」での移動体験をお届けします。
皆さんは夜に北海道へ移動する際、どのような交通手段で移動しようと考えますか?
かつて、寝台特急が青函トンネルを駆け抜けた時代もありましたが、今はその光景も過去のもの。しかし、そんな時代が終わった今も、夜の旅を楽しむ手段がまだ残されています。それが「フェリー」です。
フェリーの旅には、鉄道や飛行機では味わえない、時間に縛られずに過ごせるゆったりとした自由があります。加えて、リーズナブルな料金や車を載せての移動など、数々の魅力を備えています。今回はそんなフェリーの魅力を存分に味わいながら、北海道・函館へと旅立ちます。
この記事で紹介する行程
鉄道を駆使して北の大地の入口へ

旅のスタート地点は、岩手県のJR二戸駅。ここから新幹線「はやぶさ25号」に乗り、東北新幹線で一駅先のJR八戸駅へ。その後、青い森鉄道に乗り換え、北の大地への入口であるJR青森駅へ向かいます。
八戸駅では青い森鉄道に乗り換え。
車内には、青森のキャラクター「モーリー」が描かれた可愛らしい車両が待っています。この列車で青森の景色を楽しみながら、90分の小さな旅路を満喫しました。
なお、八戸駅から青森駅まで青い森鉄道を利用すると、通常は2,320円かかりますが、この日は休日で「青い森ワンデーパス」というお得なきっぷが使用できます。
「青い森ワンデーパス」とは?
大人2,100円、中学生と高校生は1,530円で、青い森鉄道の全線である青森駅~八戸駅~目時駅の区間が1日乗り放題となります。ということは…
八戸駅から青森駅まで片道移動しただけでも元が取れてしまいます。
青い森ワンデーパスについてもっと知りたい方はこちら↓

八戸駅から買い物・部活帰りの多くの方が乗車しており、車内は席がほぼすべて埋まっていました。私も八戸駅の時点では立っていましたが、途中の三沢駅でまとまった降車があり、そこから座席に座ることができました。
八戸駅から遠ざかるにつれてお客さんの数は少なくなっていきますが、浅虫温泉駅を過ぎて青森市内に入ると再びお客さんが多くなってきました。買い物に行く人、遊びに行く人、飲みに行く人、いろいろなお客さんを眺めながら、終点の青森駅に到着します。
青森駅に到着しました。
ここからは一駅だけ、JRのピンク色の電車「奥羽本線」に乗車します。

この電車は、青森から2つ先の「津軽新城駅」までしか行かないということもあり、車内は結構空いていました。お客さんのほとんどは私と同じく新青森駅で降り、そこから新幹線に乗り継ぐ方たちでした。
ちょっとだけ、青森観光
青森市の新幹線の玄関口、新青森駅にやってきました。
ちょっと時間があるので、この辺で休憩することにしましょう。

もちろん、ここから新幹線に乗り継ぐ……というわけではありません。私としてもできれば新幹線で北海道に上陸したいのですが、新幹線は高く、お財布を泣かせてしまいそうでした。

それでも、わずかながらの希望ということで、暇つぶしに新青森駅で「新函館北斗行き」の新幹線を見学しました。めったにお目にかかれない試験車両「ALFA-X」と一緒に。

3月は卒業シーズンということもあり、故郷を離れる人も多い月です。新青森駅にも駅員さんからの手紙が飾っており、ほっこりした気持ちになりました。
手紙の中にある「新・あ・お・も・り」の5文字を目立たせて、「新青森駅」を表しているのがなかなか面白いですね。

時間が少しあるので、新青森駅から徒歩10分の所にある、仙台市が発祥の大衆食堂「半田屋」で500円の夕食を楽しみます。セルフサービスのこの食堂は、温かい家庭料理のような味わいがあり、旅の疲れを癒してくれました。
津軽海峡越えへ

夜の帳が降り、時刻はすでに午後10時半を過ぎていました。青森の街も静まり返り、店々の明かりが消え、闇が支配する中、津軽海峡フェリーターミナルへ向かうことにしました。
新青森駅を背に、北へと歩みを進めます。暗闇の中、街灯がぽつりぽつりと光を投げかけ、街路を静かに照らし出します。道を進むと、目の前に現れるのは大きな橋。その橋の下には、JR津軽線と、車両基地へと向かう鉄路が伸びています。深夜の時間帯とあって、街は静まり返り、電車が通る音さえも、まるで遠い世界の出来事のように感じられます。静寂の中に微かに響く鉄の音が、旅の始まりを告げているかのようです。
40分ほど歩くと、ついに「津軽海峡フェリー」のターミナルにたどり着きました。

ここから乗るフェリーは、青森から北海道・函館へと私を導いてくれます。フェリーは、トラックや乗用車を主に運びますが、人だけの乗船ももちろん可能です。飛行機や新幹線に比べれば時間はかかりますが、その分だけ料金は圧倒的に安く、旅費を抑えたい者にとっては何よりの味方です。
では、ここで青森から函館までの移動手段を、新幹線とフェリーで比較してみましょう。
| 青森~函館 | 北海道新幹線 (新青森~新函館北斗) | 津軽海峡フェリー (青森港~函館港) |
| 所要時間 | 0時間57分 | 3時間35分 |
| 料金 | 7,190円 | 2,860円 |
どちらも最速、最安の値を基にした計算です。新幹線を利用すれば1時間もかからず函館に到着しますが、料金はかなり高額です。一方、フェリーは時間がかかるものの、料金は新幹線の約3分の1。時間をかけてゆったりと海を越える旅には、独特の魅力があります。
さらに、津軽海峡フェリーの強みは、その運行本数の多さにあります。「函館~青森」の航路は1日6往復、24時間体制で運行しています。夜間に乗船すれば、旅の途中で夜を越え、朝を迎えるという、まるでタイムスリップしたかのような体験ができるのです。今回は限られた予算の中での旅ですから、この夜行便を選び、海の上で夜を越すことにしました。

津軽海峡フェリーの情報はこちら↑

ターミナルで乗船手続きを済ませ、「スタンダード」の乗船券を手にしました。学生割引を利用して、2,400円とさらにお得に函館へ向かうことができます。
乗船までまだ時間があるので、外に出て船を見に行くことにしました。

目の前に現れたのは、今回の旅を共にする「ブルーマーメイド」という名の船。2014年に就航したこの新しい船は、大型のトラックや自動車を数多く収容できる上に、荒れた海でも揺れを抑える構造を持っています。船名の「ブルーマーメイド」は、津軽海峡フェリーの企業カラーである「ブルー」と、世界中で愛される童話やアニメのキャラクター「マーメイド」に由来しているのだとか。まるで夢の世界へと誘ってくれるような、幻想的な響きの名前です。

隣には、同じく青森~函館の航路を運航する青函フェリーの「はやぶさ」が停泊していました。こちらの船は「ブルーマーメイド」よりも少し小型で、天候が荒れると揺れやすいそうですが、内装は最近就航したばかりで新しく、こちらも一度は乗ってみたいものです。それにしても、新幹線に続いてフェリーにも「はやぶさ」の名があるとは、何とも興味深い偶然です。

手続きを終えた後は、ターミナルの3階にある待合室で出航時間を待つことにしました。出航の30分前に乗船が開始されるとのことでしたので、少し仮眠を取ろうと試みたものの、旅の興奮でなかなか眠りにつくことができず、結局乗船まで起きていることに。
いよいよ乗船の時が来ました。乗船券についているQRコードを改札機にかざし、飛行機に乗る時のように船内へと進みます。

今回利用する「スタンダード」クラスは、大部屋での雑魚寝が基本です。夏休みや昼間の便ならば、他の乗客と一緒に過ごすことになりますが、今回は夜行便。部屋には私一人だけで、広いスペースを独占することができました。また、必要に応じて案内所で有料で毛布を借りることもできます。

荷物を広げているうちに、船は静かに青森港を離れ、津軽海峡を越える旅が始まりました。函館到着は朝の6時20分。夜の海を渡りながら、私は静かに眠りに落ちていきます。
おやすみなさい。
津軽海峡の日の出

おはようございます。函館まではあとわずか40分ほどで到着です。
夜の間、フェリーのカーテンは閉ざされ、外の景色は見えずに過ごしていましたが、函館が近づくにつれて、ついにその幕が開きました。ちょうどその瞬間、東の空が薄明かりに染まり始め、函館の街並みの彼方から、ゆっくりと朝日が顔を出しました。海の上で迎える日の出は、静けさと壮大さを併せ持ち、私の心に深く刻まれる特別な瞬間となりました。これまで海上で日の出を迎えたことはなく、その一瞬一瞬が、まるで絵画のように美しく、感動に包まれました。

さて、今回乗船した「ブルーマーメイド」のポスターが船内に掲げられていました。客室は「スタンダード」のほか、ゆったりとリクライニングできる「ビューシート」、プライベートな空間を提供する「コンフォート」、そしてまるでホテルの一室のような豪華な「スイート」まで、さまざまなニーズに応える選択肢があります。さらに今後、客室の一部を個室化する工事が予定されており、より快適に船旅を楽しめる新たな客室が増える見込みです。船旅を愛する者にはたまらないニュースです。
船内を探検しているうちに、ついに函館港が見えてきました。
北海道上陸!

朝6時20分、ついに北海道上陸。5年ぶりの大地に、足を踏みしめる感覚が新鮮です。
新幹線や飛行機と違い、船で北海道に到達すると、何とも言えない達成感が胸に広がります。時代が進んでも、令和の青函連絡船とも言えるこのフェリー旅は、現代に生きる私たちに古き良き船旅の感慨を呼び覚ましてくれます。
函館の市街地にすぐ向かうのも一つの選択ですが、まだ早朝でお店も開いていないでしょう。しばし函館フェリーターミナルの中を散策することにしました。

ターミナルの1階の奥には、テラスがあり、そこにはハートの形をした鐘が設置されています。どうやらここは「恋人の聖地」として知られる場所のようです。朝の澄んだ空気の中、ひとりで鐘を鳴らすのも、また旅の思い出になりますね。

近くには、「ナッチャンWorld」という船が静かに停泊していました。
この船は、かつて津軽海峡フェリーの高速船として2012年まで活躍していたもので、函館と青森をわずか1時間45分で結んでいました。その速力は驚くべき36ノット、時速にして約67km/hというフェリー界の驚異的なスピードを誇っていました。現在はフェリーとしての役割を終え、この場所で静かに佇んでいますが、防衛省の元で戦車を運んだり、イベントで利用されたりと、まだその役割を完全には終えていないようです。
それにしても、あの可愛らしい外観の船が戦車を載せたり、あんなスピードで海を駆け抜けたりしていたとは、まさに驚きです。

こちらが私が乗ってきた「ブルーマーメイド」です。この船は現在「室蘭~青森航路」に就航しているため、函館に来る機会は少なくなりましたが、これからも室蘭から津軽海峡を渡り、物流や人々の交流を支える役割を担っていくでしょう。
終わりに
今回は、本州を出発し、津軽海峡フェリーで北海道に上陸するまでの旅をお届けしました。フェリーの旅は時間こそかかりますが、時間を気にせずゆったりと移動できる上、料金もリーズナブルです。忙しない日常から解放され、ゆっくりと流れる時間の中で旅を楽しむには最適の手段かもしれません。
この後は函館の市街地に向かい、観光を開始します。函館にはどんな面白い場所が待っているのか、次回の記事でお伝えしたいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。


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